梅は四君子の一つである。

四君子とは、蘭、竹、菊、梅の四種を、草木の中の君子として称えた言葉である。

梅は辛く厳しい寒さの中、春の魁として花開く。その姿が試練を乗り越える強さと美しさをもつ人の姿に重なるのであろう。

「寒さがなければ、花開くことも、清らかな香りを放つこともない。人も様々なことを乗り越えてこそ、その人がもつ美しさや強さがあらわれるのだ。」

そう言っていた人のことを思い出す。

昨日、3月11日は卒業式であり、東日本大震災から13年目の日であった。

今日、雨の中、学校の梅を見ながら、それぞれの場所で、それぞれの香りを放つであろう人たちのことを思った。